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ユビキタスID技術


ユビキタスID技術とは

コンピュータが読み取りやすい形で、実世界の様々な「モノ」や「場所」に固有の番号をつけるための技術。これによって、コンピュータは現実世界の「モノ」や「場所」を自動識別して、いわゆるコンテクストアウェアな(状況を意識した)処理を行うことができる。この固有の番号(ID)を「ucode(ユビキタスコード)」と呼ぶ。ucodeに関連する技術開発、規格の標準化は、T-Engineフォーラム内に設置されたユビキタスIDセンターが行っている。

モノや場所に付与するIDの体系「ucode」

ucodeは、基本コードが128ビット長で、必要に応じて128ビット単位で拡張し、256ビット、384ビット、512ビットとする枠組みを用意している。128ビットの数字があると、約340,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000個(3.4×10の38乗個=3.4億×1000兆×1000兆個)の番号をつけることができる。

ucodeは、JANコード(国際共通商品コード)やISBNコード(国際標準図書番号)のような「モノ」の種類に付与する番号体系とは異なり、基本的に「モノ」1つ1つに対する固有の番号体系である。たとえば、食品や薬品では、賞味期限・使用期限など個々に異なった属性を持っており、個別に番号が振られていることが重要である。

ucodeを格納するデータキャリアデバイス

ucodeを格納するデバイスが、ucodeタグで、ユビキタスIDセンターでは、バーコード(図1)、RFID(図2)、スマートカード(図3)、アクティブチップ(図4)などを包括的に扱う。これらのタグを主にセキュリティポリシーの観点から区分し、標準IDタグとしての認定基準を各区分毎に設定し、その基準を満たすタグを標準IDタグとして認定している。

ユビキタスコミュニケータ(UC)

ucodeタグから情報を獲得する端末をユビキタスコミュニケータ(UC)と呼ぶ。UCを利用することで、ユーザは獲得したucodeから情報サービスサーバーを発見し、ucodeに関連付いた情報にアクセスすることが出来る。

また、UCはこうした「モノとのコミュニケーション」機能のほかに、携帯電話やIPフォンによる「ヒトとのコミュニケーション」機能や、コンピュータネットワークを介して家電や設備機器を制御する「環境とのコミュニケーション」機能を備えている。すなわち、UCはユビキタスコンピューティング環境と人間が対話するための道具である(図5)。

ucode解決サーバー

ucode解決サーバーは、ucodeをキーとして、情報サービスを提供するシステムアドレスを検索する、分散型の軽量ディレクトリサービスシステムである。ucode解決サーバーは、ユビキタスIDセンターが一元管理するのではなく、プロバイダが分散的に管理・サービスを行う(図6)。

セキュリティアーキテクチャ

ユビキタスID技術では、セキュリティやプライバシーを保護するためにeTRON技術を利用し、通信傍受による盗聴、RFIDタグデータ読み取りによる情報漏えいなどを防止する。

ユビキタスIDセンター実証実験

ユビキタスID技術の有効性を実証するため、ユビキタスIDセンターでは様々な分野への応用に向けて実験を行っている。

■ ユビキタスID技術を使った主な実証実験

自律移動支援プロジェクト(国土交通省、他)

街の様々な場所にucodeタグを埋め込み、UCでその場所情報を読み取る技術を利用し、「自律的に移動すること」になんらかの障害を覚えている人、障害者、高齢者、外国人などをサポートし、自律的移動を可能にするプロジェクト。ユニバーサルデザインの考えに立ち、構築されたインフラは、一般の人々が観光ガイドや店舗顧客サービスなどにも利用できる。

青森、銀座、静岡、神戸、奈良、堺市、和歌山、熊本など各所で実証実験を実施した。

物流システムにおけるICタグ実証実験

農林水産省と共に生鮮食品流通における標準的物流管理手法の確立を進めている。青果物物流の市場実証実験においては総務省の委託研究成果であるpT-Engineを使用した温度変化の計測なども実施している。

青山商事とはスーツの生産、流通、販売における実証実験を実際の店舗で実施した。

日本郵船の子会社MTIと共同で「ユビキタス自動倉庫ロケーションシステム」を構築した。

各社のユビキタスID技術実用化への取り組み

T-Engineフォーラム/ユビキタスIDセンター会員などにより、ユビキタスID技術の実用化に向けた取り組みが進んでいる。

ウェル.com(国立西洋美術館)

国立西洋美術館は、2006年4月29日から5月7日まで、一般来館者向けにユビキタスID技術によるクロス・メディアガイドを実施した。ユビキタス・コミュニケータ(UC)を使って、美術作品を音声だけではなく映像で解説した。また、同時に収蔵物管理の実証実験も行った。これは、収蔵作品にucodeタグをつけ、ユビキタスID技術を使った管理システムの確立を目指すものである。将来的にこのシステムは、日本全国、そして全世界の美術館・博物館へと展開予定である。

動物園のガイドサービス((財)東京動物園協会)

上野動物園では、2006年10月より、UCを使ったガイドシステムを本格導入した。来園者は動物の映像等を分かりやすい解説付きで見ることができる。

「アイ・ガーデン」(伊勢丹)

伊勢丹新宿本店の屋上庭園「アイ・ガーデン」は、"学べる屋上庭園"と銘打ち、数十ヶ所にucodeタグを埋め込んだ情報プレートを設置し、草花等の情報をUCで取得できるようにしている。

ucodeによる備品管理(日本ユニシス(株))

IT機器や什器備品の管理をucodeにより行うシステム。早期の市場投入を目指している。

しゃべる「電脳コンクリート」(住友大阪セメント(株))

ucodeタグで管理した「電脳コンクリート」により、従来、人が手書きで記録し管理してきたコンクリートの供試体のトレーサビリティを確立し、試験の効率化と正確性の向上を目指している。

住宅部品のトレーサビリティ管理システム((財)ベターリビング)

さまざまなコード体系を包含することが可能なucode を用いて、多数のメーカーや住宅管理者の共通プラットフォームとなる「住宅部品のトレーサビリティ管理システム」の構築を目指している。

わく・ワクDigital掲示板((株)キュービット)

自動販売機の正面に取り付けたucodeタグとQRコードを使った情報プレートから、UC・携帯電話で周辺の防災情報(避難場所誘導)・地図・グルメ情報・イベント・ゲーム・交通・宿泊情報等を取得できるサービス。

バーコード

図1 バーコード
RFID

図2 RFID
スマートカード

図3 スマートカード
アクティブチップ

図4 アクティブチップ

ユビキタス・コミュニケータ ユビキタス・コミュニケータ

図5 ユビキタス・コミュニケータ

ユビキタスIDアーキテクチャ

図6 ユビキタスIDアーキテクチャ


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