保護機能を持ったµITRON 仕様 OS の開発に成功 (2002年4月15日)

社団法人トロン協会は、メモリ保護機能を持ったμITRON 仕様 OS を開発しました。

開発したリアルタイム OS (IIMP カーネル) をフリーソフトウェアとしてホームページ (http://www.assoc.tron.org/iimp/ または http://www.ertl.jp/IIMP)  などから6月始め 7月下旬に無償配布の予定です。 なお、本開発プロジェクトは、情報処理振興事業協会(IPA)による 「情報技術開発支援事業」の採択テーマの1つとして推進していたものです。

このプロジェクトは、当協会バージョンアップ WG 幹事、 豊橋技術科学大学助教授の高田広章氏を統括リーダとし、 会員会社の(株)デンソークリエイト、富士通デバイス(株)、(株)エルミックシステム、 (株)エーアイコーポレーション、豊橋技術科学大学で技術開発およびソフトウェア開発を分担しました。

近年、携帯電話機やデジタルテレビに典型的に見られるように、 コンシューマ向けの電子機器に組み込まれる組込みシステムの分野においても、 ソフトウェアの大規模化・複雑化が進んでいます。それに加えて、 ソフトウェアの開発期間短縮や開発コスト削減の要求も強く、その結果、 ソフトウェアの品質や信頼性を確保することが難しくなっています。 また、Javaプログラムを実行できる携帯電話機など、 ネットワーク経由でソフトウェアをダウンロードできる組込みシステムが増えつつあります。 そのようなシステムでは、ダウンロードしたソフトウェアから電子機器を制御する 基幹ソフトウェアを保護すること(すなわち、セキュリティの確保)が不可欠です。

リアルタイムOSにメモリ保護機能を持たせることは、 ソフトウェアの信頼性・安全性を向上させるために極めて有効な手段ですが、 それを実現するためのオーバヘッドが大きいなどの理由で、 コンシューマ機器に用いられているリアルタイムOSのほとんどがメモリ保護機能を持っていないのが現状です。 そこで本プロジェクトにおいては、できる限り小さいオーバヘッドでメモリ保護機能を 実現するための技術開発を行うとともに、それに基づいてリアルタイムOSを開発しました。 本プロジェクトで開発したIIMPカーネルの仕様は、μITRON4.0仕様のスタンダードプロファイルに対して、 メモリ領域とカーネルオブジェクトに対するアクセス保護機能を追加したものです。

導入した保護機能仕様は、当協会のメモリ保護機能SWGにおいて策定したものです。 この仕様では、メモリ領域を含むカーネルオブジェクト(タスクやセマフォなど)毎に、 アクセスを許可されているタスク(厳密には保護ドメイン)の集合を設定することができます。 許可されていないアクセスは、OSによって検出・禁止されます。仕様は、µITRON 4.0 仕様に対する 保護機能拡張という形でまとめ、本プロジェクトの開発成果とあわせて6月始め 7月下旬に公開する予定です。 ターゲットプロセッサとしては、ARM940T (ARM社)、SH3 (日立製作所)、Pentium (Intel社) の 3 種類をサポートしています。 また、IIMP カーネルに対応したコンフィギュレータも開発しました。

なお、4月16日(火)〜18日(木)に東京ビックサイトで開催される ESS2002 システムLSIソリューションフェアにおいて、µITRON 4.0 仕様に対する保護機能拡張 ならびにカーネルを紹介する展示ならびに講演を行います。 講演は、4月18日(木)の12時40分〜13時40分の予定です。 また、一般への配布開始後の7月上旬には、これらについてより詳しく解説するセミナーの開催を予定しています。 当協会では今後、μITRON4.0仕様に対する保護機能拡張ならびにIIMPカーネルの普及を目指して、 IIMPカーネルに対するサポート・保守体制を整備するとともに、各種の広報活動・教育活動を進めていく計画です。

添付資料:記者会見での説明資料 (PDF)

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