トロン協会メールマガジン
Vol.208/2009年1月23日

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トロン協会全体/活動報告
TRONSHOW2009パネルセッション「マルチコアの現状と課題」報告
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トロン協会・ITRON仕様検討グループ・次世代組込みRTOS調査ワーキンググループでは、昨年12月12日、TRONSHOW2009 最終日に「マルチコアシステムの現状と課題」というテーマで、パネルセッションを行ない、マルチコアで性能を引き出す手法や、既存資産をどうマルチコアに移行するかについて、第1線で活躍中のCPU・OS・ツールの各ベンダーとユーザ各社のマネージャ、エンジニアが議論を行ないました。参加者は98名でした。以下にセッションの内容を一部抜粋・要約し紹介します。

【コーディネータ】
山田 真二郎
((株)ルネサスソリューションズ ツール開発部 RTOSグループ主任技師)

【パネリスト】
金子 智範
(イーソル(株)EP事業部 技術部 プラットフォーム課 課長)
木下 稔章((株)デンソークリエイト プロジェクトセンター システム2室 室長)
竹内 良輔
((株)リコー プリンター事業本部 エグゼクティブスペシャリスト)
西井 修
((株)ルネサステクノロジ CPU開発第一部 部長)
宮下 光明
((株)グレープシステム 第一技術部 テクニカルマネージャ)
吉田 正康(NECエレクトロニクス(株)自動車システム事業部グループマネジャー)

◆マルチコアで性能を引き出す手法について

・CPUベンダの立場から
バス構造の最適化
マルチコアになるとメモリにアクセスする要因が増える。そのため従来の各コアがバスを共有する方式だとアクセス遅延が発生する。新たに想定利用状況から最適化したバス構造を開発し、アクセス遅延の解消を図った。(吉田)

・OSベンダの立場から
SMP OS の場合は、コア間の排他制御を行なうために、一般にスピンロックという処理方法が使われている。この方式だとリアルタイム性能を保証しにくくなる。このため、各社ともSMPとAMPを組み合わせる方法とか、BMPという特殊なやり方を工夫しているが、この方式がデファクトだというようなものがないのが現状である。(宮下)

・ユーザの立場から
従来システムで逐次処理により実現していたCPU負荷の高い処理の分散化を考える必要がある。たとえば、カーナビゲーションシステムで、ナビのルートを5ルート計算する場合、1ルートずつ4つのコアに割り当てて計算させるとか、ループ中の並列性を抽出して、コアの割り当てを組み直すなどの例が考えられる。(木下)

・ユーザの立場から
プリンタのインクジェットのコントローラを設計している。コスト面とシステムの規模の大きさ(100万〜200万ステップ)から、ヘテロジニアスの形を考えている。100万行のステップをもしAMPでやるとすると、性能を出すために、たとえばデータ領域をきちっとモジュールごとに分けなければならないが、それだけでも非常にたいへんだ。一方、SMPを使えば良いかというと、デバッグするのにそれなりのツールが必要だし、開発者もスキルを上げなくてはならない。(竹内)

◆既存資産をどうマルチコアに移行するかについて

・CPUベンダの立場から
シングル資産がある場合、マルチに移行して期待される性能アップが出きなかった場合どうするかが一番の不安。CPUメーカとしては、SMPの場合、ひとつは、アルゴリズムの並列化が適切に行なわれているかを判断するために、性能解析のカウンター系の充実を図り、サポートツールとの組み合わせによって、マルチシステムを構築するや否や、瞬時に性能阻害要因が分かる機能を開発すべきと考えている。ふたつめに、マルチ特有のCPU間の排他や同期によるオーバヘッドについては、リアルタイムに各プロセッサの挙動をトレースできる機能を強化していく必要があると考えている。(西井)

・ツールベンダの立場から
段階的な移行を可能にするツールを提供している。シングルプロセッサモードを利用して同一コア上に旧ソフトを搭載 → 解析ツールを使って、どの部分がパフォーマンスボトルネックになっているか調べる → 見つかったボトルネック処理の複数CPUへの並列化を検討、段階的にSMP対応していく。(金子)

最後に、山田コーディネータが、「組込みマルチコアは黎明期であり、LSI、OS、ツールは、まだまだ進歩と連携が必要です。われわれ次世代組込みRTOS調査ワーキンググループでも、微力ながらお力添えが出来ればと考えています」と締めくくり、セッションは終了しました。




「マルチコア用RTOSアンケート調査」に関するご協力のお願い
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ユビキタス社会に向け、組込み機器の更なる高度化・高性能化・安全化が進展しており、要求されるCPU能力も増大しています。従来、CPUは微細化・クロックアップでこれに対処してきましたが、半導体技術の面から、今後はマルチコア化による性能アップのアプローチが主流になるため、マルチコアを使いこなせるかが、組込み業界の課題となっています。
このような背景の元、トロン協会のITRON 仕様検討グループでは、今年度、次世代組込みRTOS調査ワーキンググループを組織し、マルチコアに関する実態の把握、各社の計画・取組み・ニーズなどの調査を行なっています。また、昨年12月のTRONSHOW2009においては、「マルチコアシステムの現状と課題」というテーマでパネルセッションを開催し、ワーキンググループのメンバーがチップベンダ、OSベンダ、開発ツールベンダ、ユーザ、それぞれの立場から、マルチ
コアで性能を出す方法について議論を行いました。これらの調査や議論の結果を元に次世代のRTOS(ITRON・T-Kernel)や開発環境の検討を行なう計画です。
さて、このたび、この活動の一部として、ユーザを対象としたアンケートを実施することとし、調査用紙と補足資料を会員会社にお送りし、回答の依頼を行なっております。今後マルチコアを使用したシステムの開発を検討する予定または検討したことのある方、あるいはすでに開発経験のある方で、システム全体を見渡せる立場の方や、RTOS選定に携わる方にアンケートをお願いしたいと考えています。調査用紙が届きましたら是非回答にご協力をお願いいたします。
調査用紙と補足資料(PDFファイル)をこちら
http://www.assoc.tron.org/jpn/multicore-enq.pdf
で公開しております。
これらの資料をご覧になり、回答にご協力いただける方は、メールで info@assoc.tron.org までご連絡ください。郵便にて調査用紙と補足資料をバインドした冊子をお送りいたします。回答記入済みのアンケート冊子は、郵便にてご返送ください。ご回答くださった方には、相応の謝礼を差し上げます。是非ご協力くださいますようお願いいたします。





お知らせ
セミナー開催案内 トロン協会主催 第29回『組込みリアルタイムOS実技コース』/T-Kernel入門編
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入門者むけ実習セミナー 少人数制2日間コース
受講お申し込み受付中!

組込みリアルタイムOSの解説とプログラミング実習
トロン系リアルタイムOSの基礎を学んだ後、リアルタイムOS、T-Kernelと標準開発プラットフォームT-Engineを使用して、組込みリアルタイムプログラムを作成する演習を行います。

前回のセミナー風景

◆ 開催予定日
2009年3月4日(水)〜5日(木)[2日間](10時〜16時30分)
◆ 会 場
YRPユビキタスネットワーキング研究所 6階
(〒141-0031 東京都品川区西五反田2-20-1 第28興和ビル)アクセス
◆ 予定講師
東東京大学准教授 越塚 登(トロン協会TRON教育・普及グループ 主査)
横河ディジタルコンピュータ(株)牧田宏史(トロン協会TRON教育・普及グループ 委員)
◆ セミナー概要
ユビキタス時代に向けてITRONから進化したT-Kernelと、その標準開発プラットフォームであるT-Engineを使用して、組込みシステムのソフト開発を行う手法を解説するとともに、実機上でリアルタイムOS『T-Kernel』の機能を使用してプログラムを作成する演習を行い、リアルタイムOSを用いたプログラミングスタイルと開発手法を学んでいただききます。

 -予定内容-
 □ 組込みリアルタイムOS概要
 □ T-Kernel 基本機能の解説
 □ T-EngineとT-Kernelを使ったリアルタイムプログラミング実習
  ・開発環境の使用方法
  ・サンプルプログラム
  ・プログラム作成演習

◆ 主な対象者
・組込みシステムの開発に携わっている方、あるいは今後、携わりたいと考えていらっしゃる方
・組込みリアルタイムOSに興味をお持ちの方
・OSの基本的な知識とC言語の知識を有していることが望ましい
◆ 受講料
一般・・・47,000円
トロン協会またはT-Engineフォーラム、JASA会員会社所属の方・・・40,000円

(T-Kernel標準ハンドブック・講義テキスト代金を含みます)
◆ 定 員
10名(定員になり次第、お申し込み受付を終了致します)
◆ 最少開催人数 受講お申込み4名様より開催致します。
◆ 詳細案内・参加お申し込み
こちらをご覧ください。
◆ お問い合わせ先
(社)トロン協会 info@assoc.tron.org/TEL:(03)3454-3191




製品紹介
T-Kernel搭載、タッチパネルLCD付き組込みボード「Teatouch」
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パーソナルメディアの「Teatouch」は、近年増加しているタッチパネル付き製品の開発需要に応えるために、T-Kernelを搭載した組込み向けボード「Teaboard2/ARM920-MX1」に、タッチパネル付きLCDボードを追加する形で開発された安価な組込みボードです。ARM9コアで動作するT-Kernelやデバイスドライバ、ミドルウェアのほか、Eclipseベースのソフトウェア開発環境、ハードウェアやソフトウェアの豊富な技術資料、ソフトウェア開発のための実習用チュートリアルが製品に付属しており、ユーザ自身でハードウェアを追加したり、それを制御するドライバ、アプリケーション等を開発することが可能です。工場での機器制御や情報表示端末、住宅やビルの設備機器、券売機や電子マネー決済の操作端末、GUIやハードウェア制御を含む組込みプログラミングの実習用教材など、様々な分野に応用できます。

http://www.t-engine4u.com/products/teatouch.html



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