|
|
西 田 厚 聰
|
東芝の西田でございます。篠塚会長のあとを引き継ぎまして、今年度の会長を務めさせていただくこととなりましたので、一言ご挨拶を申し上げます。
トロン協会は1988年に社団法人として発足し、本年で19年目を迎えました。
このような長きにわたり、多くの皆様のご支援を頂戴できたことを改めて御礼申し上げます。
ご案内のとおり、トロンは、1984年のトロンプロジェクト発足以来の長い歴史があり、数多くの成果を「オープン・アーキテクチャ」として世界に送り出して参りました。組込み機器向けリアルタイムOS仕様でありますITRON OSは、モバイル機器、デジタル家電、自動車をはじめ多くの機器に搭載され、事実上の業界標準となっております。
また、トロンプロジェクトの開始当初から坂村先生が提唱されてきました「どこでもコンピュータ」という概念は、今日では「ユビキタス・コンピュータ」と言う言葉で広く世の中で認識されるに至りました。そして、坂村先生が代表を務められます「ユビキタス・ネットワーキング研究所」を中心に、トロン仕様に基づいた「ユビキタス・コンピュータ」の標準プラットフォームとなる「T-Engine」、高いセキュリティー通信を実現する「eTRON」などの開発が、大きく前進しております。
世界市場を見ますと、市場経済をベースとしたグローバル化が非常な勢いで進展しておりますが、この進展のスピードは、グローバル化のみが起こっているのではなく、デジタル化、ネットワーク化が同時並行していることにより、加速されております。こうした状況の中でトロンのこれからの役割と期待は大変大きいと思います。
トロン協会は、今年度も引続き、坂村先生のご指導のもとに、これら「ユビキタス・コンピュータ」実現のソフトウェア技術開発支援を行うとともに、組込み機器の開発に必要なリアルタイムシステム技術者の育成事業を推進して参ります。会員皆様方のご理解、ご協力をお願いいたします。
なお、坂村先生におかれましては、数々のご業績にもとづき、学士院賞を受賞されました。
ここで、あらためてお祝い申し上げたいと存じます。
最後になりましたが、坂村先生、ならびに会員皆様方の益々のご発展を祈念しまして、会長就任の挨拶とさせていただきます。